インプラント

インプラントを本当に必要としている人へ

「インプラントというものは、壊れないものなのでしょうか?」

インプラントをすることに興味のある方はどなたも、「痛いんでしょうか?」「どの位もつものなのでしょうか?」とおっしゃいます。最初の「痛いんでしょうか?」について言えば、患者さんが痛いと言っているのに治療をする歯科医はいません。(ごく稀にそういう先生もいるらしいですが・・・。)必ず痛くなくしてから治療は始まります。小さな声で「麻酔はどの位の量を打つんでしょうか?」とも言われます。「歯を抜く時位の量です。」と言うと、皆さん驚くのですが、反対に私共からすれば、どうして驚くのか不思議でもあります。しかし考えてみれば、我々の方から見ると当たり前のことであっても、患者さんの側からみれば、不安であり、当然の質問なのです。

「どの位もつものなのでしょうか?」は確かに大切な質問です。その質問の意味は、恐らくこういう事ではないでしょうか。

インプラントというものは、壊れないものなのでしょうか?

物質的に壊れないかという事です。壊れるインプラントというのは確かにあります。

31年インプラントの治療を行ってきて、現在はストローマン・インプラント(スイス)のみの治療を行っていますが、当院でも色々な種類のものを使用してきました。インプラントは故障があっても取って、また埋入することが可能なのですが、骨に対するダメージはやはりあります。骨は再生するとはいっても。全く元に戻るわけではないからです。だから“世界的に評価されているインプラント”を選ぶべきなのです。

インプラントの寿命は口腔内の総合力によって決まる

このページで書かなければならないのは、このこともさるものながら、インプラントが長く使えるかという質問に対して答える事です。

ここで最初のページで書いたことを思い出して下さい。口の中の治療というのは、虫歯を治すことだけではありません。その大切な歯を守る為に、歯周病治療をしなければなりません。何しろ成人の約80%の人が程度の差こそあれ、歯周病患者と言われているのです。その同じ口の中に、インプラントという人工物を入れるわけですから、このインプラントも歯周病にならないとも限りません。厳密に言えばこれは歯周病ではありません。何故なら、歯周病というのは『歯周』、つまり歯の周りに起こる病気だからです。言ってみればインプラント周病と言えるかもしれません。詳しい話はいずれすることにしますが、歯の周囲にくっつくプラーク(細菌の塊)も、インプラントの周囲にくっつきます。結果は同じ事になります。肝心のインプラントはびくともしないのに、インプラントの周りの歯肉と骨が溶けてしまえば、歯周病と何ら変わりません。だから、「インプラントはどの位もつのでしょうか?」という答えは、“不良なインプラントを用いず、正確な技術によって埋入され、プラーク・コントロールによって常にその周囲を清潔に保つ”ことができれば、かなり長期間に渡って使用できることになります。

「そんな面倒臭いんだったら、インプラントなんかやらない。」という方もいるでしょう。でもです。もしそういう考え方ならば、再々言うように、ご自分の歯自体がまず歯周病に侵されて、抜け落ちていくでしょう。

どちらにしても、“口の中の清潔”は歯やインプラントの為には必要不可欠なものなのです。

ですから当院では、優秀な歯科衛生士によって、予防と歯周病治療に力を入れているのです。

インプラントとは

インプラント治療の方法

一番大切なのは定期メンテナンス

インプラント治療約31年の歩み

黎明期のインプラント

最近「インプラント」という言葉がよく使われています。小高歯科クリニックは、今年で42年目に入りましたが、インプラント治療を始めても約31年になります。ですから、初期のインプラント(アメリカ式)いわゆるブレード・タイプ・インプラントも使ったことがあります。現在から考えると、それはそれは恐ろしいインプラントで、どうしてこれらのインプラントが世界中で使用されていたのか不思議でなりません。

簡単に説明をすると、X-線や石膏模型を使って、そこに入れる金属板(薄い板状の金属の側面に穴をあけ、貫通させて固定に用いました)を技工士が作るわけです。ですからその型の通りに骨を削って、ハンマーで打ち込み、歯肉を縫い合わせるというシンプルなものでした。その大雑把さは、超古典的で凄まじいものでした。しかし、エジプトのミイラがインプラントの元祖であるというのは有名な話で、私も詳しくは知りませんが、顎の骨の中に金属らしきものを入れて、そこに歯を入れていたというのです。まぁ、本当か嘘か半信半疑でしたが、現代の発掘調査をみていると、ひょっとしてありえるかもとも思います。

それに比べると、随分アメリカ式のブレード・タイプのインプラントは進化したものですが、それでも現在のインプラントからみれば、原始的なものであります。

ちょっと難しくなりますが、現代のインプラントはオッセオ・インテグレーテッド・インプラントと呼ばれる、骨に直接くっつくタイプのものになっています。世界中にどの位のインプラント・メーカーがあるか正確にはわかりませんが、どうみても10や20のメーカーがあることは間違いありません。メーカー(勿論歯科の研究者が開発したものを製造している会社)により骨にどのようにくっつけるかあるいは、その上の部分(アバットメントといいます)をどのように工夫するかなどそれぞれです。そして治療費(つまりインプラントの値段)は、かなりの値段のひらきがあります。現代ではドイツ、アメリカ、日本、は技術立国ということになっています。特にドイツは医療先進国であるというイメージがあり、我が国においても、カルテはドイツ語で書くのが当たり前、つまり、常識になっています。しかし現実には英語が主流であり、カルテも英語か日本語で書きます。

(余談)私が大学生の頃。カルテをドイツ語で書いている人がいて相当目立ったことを覚えていますし、私の祖父もやたらにドイツ医学を信奉して、留学して、チーテル(博士号)を取るんだと、いきがっていたことも覚えています。

インプラントはスウェーデンとスイスが中心

それはさておき、インプラントの世界では、残念ながらこれらの国ではなく、スウェーデンとスイスが中心になっています。当院もスウェーデンのインプラントを長年使用しましたが、現在はスイスのストローマン・インプラントに切り替えています。とはいっても、スウェーデンのイエテボリ大学のブローネ・マルク教授の開発したチタンという金属を使った骨に直接くっつくインプラントから始まった現代のインプラントは、同大学の歯周病の大家ヤン・リンデ教授と共に、この世界を一躍世界中に知らせることになりました。今回(H30年3月来日予定)のヤン・リンデ教授の講演会の中心テーマは、インプラントについてのものが多く、その予防と歯周病についてですから、歯周病とインプラントについていえば、スウェーデンのイエテボリ大学の歯科界の貢献は並々ならぬものがあると言えます。

そして、スウェーデンのインプラントも、スイスのストローマン・インプラントも、長期間の予後(治療した後の結果)をもっています。

特にインプラントについていうなら、長期間の予後をもっている、つまりどの位もつかという事なので、最重要なポイントになります。

勿論歯周病も同様ですが、治療したから終わり、ではないのです。オーバーに言えば、治療の終わりは、全ての始まりなのです。